後悔しない吹抜けのつくり方|メリット・デメリットや設計ポイントを解説

家づくりにおいて「吹抜け」は多くの方が憧れる要素の一つではないでしょうか。

天井が高く、広々とした空間が家の中に広がり、開放感とおしゃれな雰囲気を演出できる吹抜け。しかしその一方で、寒さや暑さ、危険性を感じて後悔を感じてしまうことも少なくないようです。

この記事では、吹抜けのメリット・デメリット、そして後悔しないための設計ポイントについて詳しく解説します。吹抜けを取り入れるかどうかを迷っている方、既に導入を決めている方も、ぜひ参考にしてください。

 

吹抜けのメリット

ホテルやショッピングモールなどでも採用されることの多い吹抜けには、たくさんのメリットがあります。その具体的な内容を確認していきましょう。

開放感を演出できる


 

吹抜けの最大のメリットは、その開放感です。天井が高くなることで空間が広く感じられ、家全体が開放的な印象を持つようになります。

特に、家のメイン空間であるリビングや玄関に吹抜けを設けると、開放感を効果的に演出できるでしょう。

それほど広さのない家でも視覚的に広く感じさせ、家での滞在時間が長い方でも圧迫感を感じず快適に暮らせます。

室内が明るくなる

吹抜けは、採光の面でも大きなメリットがあります。高い位置に窓を設けることで、自然光が部屋全体に行き渡り、日中でも明るい室内を保つことができます。

冬場の陽射しが貴重な時期には家の中が明るく保たれることで、暖かさと居心地の良さを感じられるでしょう。住宅密集地でも採光を取りやすいメリットがあります。

 

家族のコミュニケーションが捗る

家族間のコミュニケーションが取りやすくなることも吹抜けのメリットです。

リビングと2階のスペースが視覚的につながることで、家族が自然に顔を合わせる機会が増え、会話も生まれやすくなります。お子様が成長する過程においても、親子間のコミュニケーションを増やし大きな助けとなるでしょう。

2階ホールにフリースペースを設け、趣味や学習など、家族が思い思いに使える第二の居場所をつくるのもおすすめです。

 

おしゃれな家になる

吹抜けを取り入れることで室内にダイナミックな空間が生まれ、家のデザイン性が格段にアップします。

窓のデザインや大きさ、照明やシーリングファンにもこだわって配置することで、さらにおしゃれで個性的な空間に仕上げることができるでしょう。

あえて梁をあらわす天井やスケルトン階段なども、吹き抜けとあわせて空間のデザイン性をアップさせる人気の手法です。

 

吹抜けのデメリット

さまざまなメリットのある吹抜けですが、いくつかのデメリットも存在します。特に暮らしの充実度を左右する快適性やメンテナンス性に関わる内容が多いため、詳しくチェックしておきましょう。

冷暖房効率が悪くなる

吹抜けの大きなデメリットとして、冷暖房効率の低下が挙げられます。

冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上昇する性質があるために、縦方向に広い吹き抜けの空間では温度差が生じやすい傾向があります。そのため、冬場は1階の暖気が2階へ、夏場は2階の暖気が1階へ入り込みやすくなり、エアコンの利きの悪さや不快な温度差を感じることも少なくありません。

吹抜けを設ける場合は家の気密性・断熱性を高めたり、全館空調システムを導入したりして温度の問題に対処する必要があります。

 

2階の面積が少なくなる

吹抜けを設けることで、2階の床面積が減少します。

2階の個室が狭くなったり、収納スペースの数や広さが制限されたりする可能性があるため、家族の人数やライフスタイルを考慮した間取りの工夫が必須です。

場合によっては3階建てやスキップフロアなども候補に入れながら、十分な居住空間を確保できるかを慎重に検討していきましょう。

 

天井や窓の掃除が難しい

吹抜けの高い天井や窓は、掃除が難しいというデメリットもあります。高所の窓の拭き掃除や、天井のホコリを取るためには専用の掃除道具やプロの手を借りる必要が出てくるかもしれません。定期的なメンテナンスの手間や具体的な方法を考慮することが重要です。

 

吹抜けをつくる際のポイント

ここからは、デメリットを解消しながら後悔しない吹抜けをつくるためのポイントを紹介します。

将来的なライフスタイルの変化も考慮する

吹抜けを設ける際には、将来的なライフスタイルの変化も視野に入れて設計することが重要です。

お子様が独立した後や、老後の生活など、長期的な視点で家の使い方を考えることで、後悔の少ない設計が可能になるでしょう。

例えば、ゆくゆくは子ども部屋の増設といった可能性がある場合には、後付けで吹抜け部分に床を張れる設計にしておく方法が考えられます。

 

採光・通風・操作性に考慮した窓を採用する

吹抜けの設計において窓はとても重要な要素です。

まずは建物の条件に応じた断熱性能の高い窓サッシを選び、採光や通風を考慮した形状やサイズ、配置を検討しましょう。

開閉のしやすさや掃除のしやすさなどに配慮することも大切です。チェーン操作やリモコンで開閉できるタイプの高所用窓もあるため、頻度や使い勝手を考えて選びましょう。

 

家の断熱性を高める

開放感のある吹き抜け空間を快適に保つためには、家の断熱性を高めることが重要です。高断熱の家は室内の温度差が少なく冷暖房効率がアップする特徴があります。

吹抜けを設けて後悔につながるのは「寒い・暑い」といった内容が非常に多いため、家全体に高性能な断熱材や窓を採用し、断熱性の確保を優先的に行いましょう。

高気密・高断熱であれば、少ない電力消費でも大空間の吹抜けを1年中快適な温度に保ちます。

 

日射の影響を考える

明るく開放的な吹抜けですが、日射の影響が大きい夏場は室内が眩しく暑くなりすぎる可能性があります。

プランニング時には季節ごとの日射の影響を考慮した設計を行ってもらい、場合によっては庇やブラインドを設けて快適な室内環境が保てるよう配慮しましょう。

 

吹抜けに適した空調プランを取り入れる

吹抜けには、空間の大きさや環境に適した冷暖房機器を取り入れることが基本です。

ただし、空調計画は専門的な知識が必要になるため、実際の設計時には設計担当者から提案を受け検討を進めます。

空調システムは一般的なエアコンから全館空調までさまざまですが、何が最適であるか説明を十分に受け、初期費用だけでなくランニングコストを含めて確認するようにしましょう。

また、吹抜けの空気を循環させるため、シーリングファンなどを設置するのもひとつの方法です。

 

落下防止対策をする

 

吹抜けに面して階段や2階ホールを設ける場合は、安全対策として落下防止策を講じることが重要です。特に小さなお子様やペットがいる場合などは入念な対策が必要になるでしょう。

すり抜けや乗り越えの心配がない手すりの設置など、安全性を確保するための対策を徹底しましょう。

デザイン的に気になる場合は、着脱可能なガードネットや透明感のある強化ガラスを使用する方法も考えられます。

 

まとめ|吹抜けは実際の生活をイメージしながら採用しよう

吹抜けには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。後悔しないためには、自分たちのライフスタイルや将来的な生活をイメージしながら慎重に検討することが重要です。

吹抜けには無数のバリエーションがあります。

リビング上部だけに設けたスポット的な吹抜け、玄関を開放的に演出する吹抜け、リビング階段とあわせてフリースペースと一体にプランニングした吹抜けなど、家族の暮らしにベストな形はそれぞれ異なるでしょう。

吹抜けは温度変化が起きやすく日射の影響も受けやすいという側面も考慮しつつ、快適性を重視しながら計画することが大切です。

ぜひ本記事を参考に、魅力的で過ごしやすい吹抜けを検討してみてくださいね。

 

 

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