家を建てるなら腕のいい大工!メリットや依頼方法を解説

家づくりの方法が多様化する現在、昔ながらの職人気質の大工は減っています。

しかし、そんな現在の家づくりにおいても、木造住宅では大工が中心的存在ということには変わりありません。

設計通りの性能とデザインを実現するには高い技術が求められるため、大工の腕次第で家の品質が大きく変わります。

近年は施工ミスによる住宅トラブルが増加している傾向もあり、生涯にわたって安心・安全な家づくりを実現するには、施主自ら技術力と経験値の高い施工先を見極める必要性が高まってきました。

そこで今回は、「大工」に注目し、熟練者に依頼するメリットや依頼する方法を解説します。

「家を建てるなら品質の良いマイホームにしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

そもそも大工の仕事とは

木造の家づくりの中心的な存在

大工は、木材を扱い加工したり組み上げたりして建物をつくることが基本的な仕事です。

しかし、木造住宅ではほとんどの工程にかかわる中心的存在となります。

現在は家づくりの作業も分業化が進み大工の仕事も少しずつ減ってはいますが、それでも一般的な住宅における以下の作業すべてを大工が担います。

 

  • 更地時に家の位置を決める「遣り方」
  • 一気に骨組みをつくる「建て方」
  • 屋根や外壁・防水シートの張り付け
  • 窓サッシの取り付け
  • 内装のボードや床・天井の張り付け
  • 建具枠・巾木・廻り縁などの取り付け
  • 造作家具(カウンターや棚)の取り付け
  • 現場の養生(キズ・汚れ防止の保護)
  • 住宅設備設置の補助

家づくりの始まりから仕上げ作業まで、ほとんどの段階で大工が関わっているのがお分かりになるでしょうか。

さらに一部の物件では、骨組みの構造材や内装材を作業場であらかじめ加工するケースもあります。この場合は、現場に入る前から作業時間を要し、木組みの「継手」や「仕口」など手刻みでの精緻な加工が必要とされるため、高い技術と経験が不可欠です。

 

大工棟梁は現場のとりまとめ役

家づくりのほとんどの工程に関わる大工は、他業者が入るタイミングや作業内容を正確に理解し、連携して工事を進めていかなければなりません。

特に、大工職のトップを務める「棟梁」は、大工だけでなく全業者を取りまとめて采配する役割を担います。一般企業に例えるならば、チーフやマネージャーといった管理職のイメージでしょうか。自分の作業も進めながら、常に現場全体の様子をくまなく認識するのです。

棟梁になるためには、大工としての技術力や経験値が高いだけでなく、建築構造や材料への理解、天候や職人の技術力を考慮した工程管理など、あらゆる能力が求められます。

同じような役割で「現場監督(現場管理者)」がいますが、現場監督は自ら作業することはなく、施工会社のスタッフとして、職人のスケジュール調整や材料の仕入れ、進捗チェックや安全管理などを行います。変更や追加といった重要な判断は棟梁の一存で行うことはなく、現場監督に相談されることがほとんどです。

 

腕のいい大工に家を建ててもらうメリット

大工の腕の良し悪しは、具体的にどのようなメリットとしてあらわれるのでしょうか。その内容を見ていきましょう。

 高品質の家が建てられる

住宅をつくる工程では、図面上で表しきれない細かい作業が存在します。

腕のいい大工であれば、設計者の意図や材料の設置方法などを正確に読み取り、精度の高い作業を行います。

その結果、内装の造作材がズレやすき間なく美しく施工されるだけでなく、見えない部分まで丁寧につくり込まれ、耐震性や断熱性、気密性をしっかりと確保した高品質な家づくりが可能になるのです。

近年は高い住宅性能を宣伝する住宅会社が増えていますが、大工の腕が悪ければその性能は十分に発揮されず、施工ミスを招く可能性も高まります。高品質の家づくりは設計だけでなく、職人の技術も重要という点に留意しておきましょう。

 

イメージが反映されやすい

家づくりではささいな部分の修正や変更が出ることも少なくありませんが、マルチ能力に長けた大工は現場監督や他業者と密にコミュニケーションを取り、スピード感を持って臨機応変に対応します。

人生に一度の家づくりでは、想いを最大限に反映して理想の家を完成させたいと考える方がほとんどでしょう。施行側に技術力や知識が足りない場合、施主が意図することが伝わらなかったり、実現が難しくなったりすることもあるため、対応力の高い大工がいる安心感は想像以上に高いものです。

 

メンテナンスや修繕にも適切に対応できる

家の寿命を長く保つには、メンテナンスや定期点検が必須です。

担当した大工がメンテナンスやアフターフォローに対応してくれれば、不具合がある箇所にも気づきやすいでしょう。もし当時携わった大工でなくても、高い技術力があれば適切に対処できる技を持っているので、安心感にもつながります。

実は、新しく真っすぐな材料を用いる新築よりも、劣化状況に応じて作業するリフォームやメンテナンス工事の方が、大工にとっては難易度が高いもの。

腕のいい大工と出会えれば、長期にわたって信頼できるパートナーとなるでしょう。

 

腕のいい大工に家づくりを頼む方法

 

ハウスメーカーや工務店など、木造住宅を扱う会社は無数にありますが、腕のいい大工は年々減少していると言われています。

特に近年は、大工のなり手不足・高齢化が進んでいることに加え、機械が木材を加工する「プレカット」の普及により、技術継承が深刻な問題となっています。

また、大工は施工会社と契約して作業にあたるのが基本のため、高い技術を持つ人でも個人からの依頼を受けることはまれです。さらに、コミュニケーションや交渉が得意ではない職人気質の大工も多いため、直接仕事を依頼することは難しいでしょう。

そんな状況でも、施工会社を通して腕のいい大工に依頼するための方法を紹介します。

 

「自社大工」「お抱え大工」のいる工務店に依頼

自社大工やお抱え大工、社員大工と呼ばれる大工は、ひとつの決まった施工会社のもとで仕事をしている大工です。

ほとんどの施工会社では自社大工を抱えていると思われがちですが、実は自社大工がいるケースはかなり希少です。なぜなら、施工会社は「半人前」の大工を育成するための期間とコストを要し、在籍する大工に途切れなく仕事を手配する必要性が生じるからです。

自社大工は会社の理念や技術、心構えや顧客への接し方などをしっかりと理解するため、現場ごとに依頼先が変わる大工と異なり責任感を感じやすくなります。

さらに、若い大工を育成する環境が整っているため、技術が確実に伝承され、高品質な家づくりが可能になるのです。

ただし、施工会社の中には、大工の技術力や木材加工の重要性を理解する会社や、技術継承への取り組みを重視している会社もあります。そのような会社には一流の大工が集まりやすいもの。大工個人だけでなく、大工とのつながりを大切にする会社を選ぶことも重要です。

 

腕の良し悪しは「造作材」をチェック

実際に大工の腕の良し悪しを判断するためには、施工会社のモデルハウスや現場見学会に行き、造作材の仕上がりをチェックしてみるのが効果的です。

巾木(壁の下端に取り付ける建材)や窓・建具枠などに注目し、材料同士の接合箇所や、壁や床に接する部分にゆがみやすき間がないかを確認しましょう。

腕のいい大工は、造作材を美しく加工し、ぴったりとすき間なく継ぎ合わせます。また、窓・建具枠など湿度変化や開閉による動きが生じやすい場所は、強度を確保し劣化が起きにくいよう配慮します。

造作材の精度は日々の暮らしにあまり影響のない部分ではありますが、丁寧な仕事がされていれば、構造体や下地など見えない部分での完成度にも期待できるでしょう。

 

まとめ|熟練の大工による高品質な家づくりなら辰巳工務店

腕のいい大工はひとつの現場に真摯に向き合い、何十年経ってもしっかりと記憶しているものです。

そんな大工に依頼することができれば、品質の高い家が実現するだけでなく、長期的な安心感も得られるでしょう。

腕のいい大工を探し出すのは決して簡単な事ではありませんが、今回紹介したポイントを参考に、ぜひ理想の家づくりを実現してください。

 

自然素材を使用した家づくりを得意とする辰巳工務店では、熟練の自社大工を抱え、若手の育成にも積極的に取り組んでいます。

木造住宅の構造体については機械加工のプレカットを使用せず、すべて大工の手刻み材を採用。とても手間がかかる作業ですが、お客様に本当の「木の家」を味わっていただくために、そして伝統的な技術を次世代に引き継ぐために、大切なこだわりだと感じています。

福岡県で家づくりやリフォームをお考えの方は、ぜひお気軽にお問合せください。